#book #r2025
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## なぜこの本を読んだか
X でこの本がいいという話を見たので読んでみた。
またちょうどコーチングやファシリテーションにも興味があった時期だったのもある。
## メモ
> 実は、コーチングとは複雑なスキルの組み合わせであり、知識・コミュニケーション・リーダーシップを基礎とする、一種の社会行動学的スポーツである
> 熟練者と、非常に優秀だが発展途上の選手との間には、少なくとも2つの違いがある。
> 第一に、熟練者は「どこを見ればよいのか」無意識のうちにわかっている。
> 第二に、見たものを効率よく処理できる。
> ...
> 教師の間でも同様の傾向があることがわかった。
> ベテランの教師は初心者に比べて、見るものは少ないが、多くを知ることができる。
John Sweller氏の認知科学の研究と同様の話題があり似た理解をした (実際本書の後半で John Sweller についても言及がある)
> 話を聞くこと自体から学ぶ部分はほんのわずかな割合に過ぎない。
> 選手が指導を受けた内容を実際に使う場合に、使おうとするときにこそ学習が起こるのだ。
> したがって、効果的なフィードバックとは、フィードバック後に選手が真面目に行動に移すよう促す、あるいは行動に移すことを可能にするものであることが重要な特徴の1つだ。
フィードバックをする際には、根本的な原因とそれを治すための正しい**行動**を導き出すようにという話で例えば、以下ような例が出されていた
|問題の説明|望ましい結果|正確なアクション|
|---|---|---|
|遅すぎる!|速く前を向いてプレスしなさい|ファーストタッチが前向きであることを確認|
|カルロス、飛び込むな|カルロス、ポジションをキープして|カルロス、お尻を低く、あごは高く|
また、医者が患者に対して「咳をするな」とは言わないように行動すべきアクションを提示することが大事
> 認知科学学者のジョン・スウェラーは、初心者と熟練者では学び方が異なることを指摘し、教師は「ガイダンス・フェイディング効果」と呼ばれるものを考慮するよう提案している。
> ...
> 初心者と熟練者では、教え方を変える必要があるということだ。
> 「学習者には、初期 (初心者の状態であるとき) に多くの明示的な指導が与えられるべきだ。」とスウェラーは述べている。
> ...
> 学習者の知識が増えれば明示的な指導は効果が低下し、やりすぎると専門知識のさらなる発展を妨げることさえあるため、徐々に「フェードアウトさせて問題解決に置き換える」べきだ。
> そのためには、回答の自由度が高い質問や、選手自身が問題解決を試みるような制約に基づく学習を導入する必要があると考えられている。
> つまり一般に、学習プロセスの初期には選手に方向性を指示し、後期なれば問いかけをより重視すべきだということだ。
## 感想
- 割と感覚的にも納得できる部分が多かった
- またエンジニアのキャリア感というか学習はスポーツに似た部分があると感じていたがそれも概ね間違ってそうではなかった
- 個人としてのアスリートとチームとして試合をするという部分が似てると思っている
- それはさておき John Sweller 氏がここでも出てきた驚いた