#note ホラクラシー組織は、階層型組織に対して "peer-to-peer" 型で運用される組織の実装の1つという位置づけ。 階層型組織はトップダウン型組織になっているため、アジリティが低いという課題感を解決したいというのが "peer-to-peer" 組織のモチベーションになっている。 ホラクラシー組織は、David Allen により開発され、Zappos という自身の会社で運用を行っているもの。近年は、様々な組織で導入されたりもしている。 ホラクラシー組織は、「無管理」かつ「フラット」という風に捉えられてしまいがちだが、実際には Circle という構造もある上に権限が分散されているだけで無管理というわけではない。 ## ホラクラシー組織の概要 ![image](https://gyazo.com/ec13cb39a2447dd871a52e30863eb58d/thumb/1000) コンセプトとしては、ロールは人に対してアサインされずに組織構造として構造化されているというのがポイント。 そして構造化されたロールに対して人がアサインされるという考えかた。 このロールを Circle と呼んでいて、Circle は入れ子構造になっている。 e.g. LAPRAS で公開されているホラクラシー組織の構造 [https://app.holaspirit.com/public/lapras](https://app.holaspirit.com/public/lapras) 各 ロール には1人以上がアサインされ、その人はそのロールを Lead することが求められている。 具体的には、 - 現状記載のロールが実際に行っている仕事とのギャップがあるかどうかを常に気にし、ギャップが有る場合には変更の Proposal を出す (tension を感知すると呼んでる) - そのロールで行う Project の管理や、Next Action や優先度を決定する責任を持つ また、これらの構造は定期的な `Governance Meeting` の中で高い頻度でギャップがないかを確認し、ギャップがある場合には Proposal を通して組織構造に反映するという仕組みを設けている。 ホラクラシー組織の精神としては、以下4つが重要になっている - 権限を分散させる - 新しい組織構造を設けて、ロールを定義し責任をみんなで持つようにする - アジリティの高い組織構造の意思決定と変化 - チーム同士が同期する仕組みづくり ![image](https://gyazo.com/6e2ed53ae25279d3d93d02b45840d48c/thumb/1000) ## ホラクラシー組織の要素 ### Circle Circle は1つのロール (責任範囲) を表現していて、以下を必ず言語化している - Purpose : なぜこのロールが必要か、ロールのゴールはなにか - Domains : Purpose を満たすために行うプロセスや管理しているものを書く - Accountabilities : ロールが行っている具体の仕事や負ってる責任範囲を書く - (Optional) Policies : 仕事をする上での特別なルールや決まりごとを明示しておく場合には書く Circle のロールが大きくなって、ケイパ上 Circle のロールを満たせなくなった場合には、Sub Circle を設けてロールを分解する。 また一番外側の Circle を Anchor Circle と呼び、この Circle は全ての権限を保有している。 ### Role Lead Circle には必ず Role Lead がいる (Role にアサインされている人の中で1人) Role Lead は以下を仕事にする - 現在の記載のロールの仕事と実際に行っている仕事に Tension (ギャップ) がないかを検知 - Next Actions と Projects の管理と明文化 Circle 内のアサインについては、Circle Lead (Role Lead) が決める。 Sub Circle でアサインされている人がいない場合には、 Circle Lead が自動的にアサインされる。 ### Facilitator Circle には、Optional で Facilitator を設ける。 Facilitator は、Circle 内の運営が正しく行われるように振る舞う。(スクラムマスターに近い?) ### Secretary Circle には、Optional で Secretary を設ける。 Secretary は、開催されるミーティングなどの設定や議事録の管理など活動の管理や整理を行う。 ### Circle Rep 他のCircleに対する窓口として Circle Rep を選挙で選ぶことがある。 他の外側の Circle とのやりとりのためのロール ## ホラクラシー組織のイベント ### Tactical Meeting TBD ### Asynchronously Proposal TBD 登場人物は以下 - Propoer : 変更の提案者 - Objector : 提案された変更に対して意見がある人 ### Governance Meeting 組織構造を高頻度で見直し、構造変化をするための定例ミーティング ## 導入、失敗など - 国内だと、Ubie や LAPRAS が組織運営として採用している。 - 海外だと、Medium が導入してスケール性の問題から廃止している。 - [https://blog.medium.com/management-and-organization-at-medium-2228cc9d93e9](https://blog.medium.com/management-and-organization-at-medium-2228cc9d93e9) ## 参考資料 - [Holacracy Whitepaper](https://www.holacracy.org/whitepaper) - [Holacracy Constitution v5](https://www.holacracy.org/constitution/5) - [Beyond the Holacracy Hype](https://hbr.org/2016/07/beyond-the-holacracy-hype) - [フラットな組織の負債と向き合ったUbie Discovery が、ホラクラシー組織を採用した理由|Ubie (ユビー)|note](https://note.com/ubie/n/nd86e2a5655c0) - [純ホラクラシー組織の運用法のすべて - LAPRAS HR TECH LAB - 採用を科学するメディア](https://hr-tech-lab.lapras.com/information/holacracy_scouty/)