#book #r2025 ![](https://i.gyazo.com/19921158bbc848f30fa703ebff815ad0.jpg) ## なぜこの本を読んだか 小売業界に対して興味が出てきたので読んでみた。 ## 何が書かれている本か 「マーチャンダイジング」とはあるものの、スーパーなどを主として、小売の事業の考え方などが丁寧に簡潔に書かれていて最初の1冊としては非常に良かった。 ## メモ マーチャンダイジングとは「適正な商品を」「適正な場所で」「適正な時期に」「適正な価格で」「適正な数量」提供するということ (これを 5つの適正とも言う) 基本的には「製造業」-> 「卸売業」-> 「小売業」という事業の関係性がありそれぞれの間でマーチャンダイジングというのを考えねばならない 仕入れの基本は3つで上から順番にリスクが高い - 買取仕入: 商品の引き渡しと同時に買取 - 委託仕入: 場所だけを貸すという形で主に販売手数料を取る - 消化仕入: 商品を引き渡したとしても売れ残ったら返品できる ※ 委託仕入と消化仕入はいずれも「小売業者が在庫リスクを負わない」「サプライヤーはコストを抑えて出店できる」というメリットが似ているが、売掛金 (販売したものの入金待ちとなるお金) に対する考え方が異なる (つまり、キャッシュフローへの影響が違う)。 委託仕入は、メーカーと顧客が直接取引をしており、消化仕入は小売と顧客が取引をしていることになる。 **値入 (ねいれ)** 売価と原価 (仕入れ) の差額のことを指す。 最初に売価を決めることをマークアップといい、何らかの理由で値下げをすることをマークダウンと言う **GMROI (Gross Margin On Inventory Investment)** 在庫投資に対してどれだけの粗利益を生み出したかを示す指標。 商品投下資本粗利益率とも呼ばれる。 高いほど効率的に在庫を粗利益に変換できていることを示す。 [![Image from Gyazo](https://i.gyazo.com/8ebf389277e86db85959bc1123f28b80.png)](https://gyazo.com/8ebf389277e86db85959bc1123f28b80) **利益貢献度** 各部門ごとに「粗利益率」と「売上高構成比」を出すことが一般的。 この時どちらも独立して追っているとどの部門に注力すべきかわからないので、相乗積 (つまり重みをつけて計算したいという話) を利益貢献度と呼んでいる。 e.g. 粗利益率 20%、売上構成比 40% であれば 20% x 40% で 利益貢献度は 0.8 (本の中では、 8.0 としているが 0.8 が一般的っぽい) ロス - 廃棄ロス - 品切れロス - 品切れは、「全部売れた」と同時に機会損失とも捉えることができる - 棚卸ロス - 帳簿と実数が「検品ミス」「誤入力」「発注ミス」などによって発生するロス - これが発生するとデータとして把握している状態と不一致になるため発注などのアクションが遅れることにつながる - ちなみに現場で実数を数えていく業務を「実地棚卸」と呼ぶ - 値下げロス 基本的な小売の売上高は「客数」x 「客単価」で決まる - 客数 -> 一般的なマーチャンダイジング (管理業務や出店などの経営業務など) - 客単価 -> ISM (インストア・マーチャンダイジング) によってあげることもできる - 動線長 - 立寄率 - 視認率 - 買上率 - 1人あたりの買上点数 - 1品あたりの平均買上単価 ## 感想 昨今のニュースを見ていて、小売業というのは小さいスタートアップというかかなり経営が透けて見える面白さがあって興味が出ていた。 この本の中でまさにそういった管理業務というものが根底にある業界なんだなと改めて理解できた。