-#paper
[https://www.shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2022/02/202002_2.pdf](https://www.shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2022/02/202002_2.pdf)
# なぜこの論文を読んだか
きっかけを思い出せないが、 notability の中にストックとしてあったので読んだ
# Abstract
## 背景となる前提情報
この著者は、PDCAサイクルの課題点を Plan から始まっていることにあるという主張が終始一貫している。
特に Plan を行うのは、ボトムアップではなくトップダウンであることの多さを危惧している。
例えば、わかりやすいのは営業目標やプロダクトKPIのような定量数字をトップダウン的に決めて経営しているような状況を指して Plan から (= トップダウンでのマイクロマネジメント) 始まるのは現代の VUCA の時代にはあってないと考えていてそれに対して OODA を提唱している。
※ PDCA 自体は、広義な概念なので上記のような定義を持っていないはずなので、上記のような前提で読まないとなかなか読み進めれないように感じた。以下のような主張にその傾向が見られる
> PDCAサイクルが機能するためには、出発点である計画がしっかりしたものでないといけない。優れた計画を立案するためには、計画立案者が必要な情報を持ち、目標だけではなくそれを達成するための手段を明示することが重要になる。そのような場合、計画実行には、たとえ多くの努力や労力が現場に要求されたとしても、創造性やイニシアティブはあまり要求されない。
> ...
> PDCAサイクルが機能するのは、計画立案者が必要な情報を持っている場合、すなわち、不確実性が低い定型的業務に限定される。
## OODAループの話

> OODAループがPDCAサイクルと異なるのは、計画を出発点としていないという点にある。
> ...
> ミッションを達成するために必要な最低限の資源、権限を現場に与え、そのなかで自らの責任の下でミッションを達成せよ、という一種の契約 がOODAル ー プ の 背 後 に 存 在 する。
## 主張
本論文の要約をそのまま引用すると
> ① ミッション・マネジメントを確立すること
> ② 上位PDCAサイクルを導入すること
> ③ 不確実性の想定内化
> ④ 観察の仕組み化
↑ についてはメモで補足
# メモ
> ① ミッション・マネジメントを確立すること
タスクではなくイシューを渡そうといういつもの話。
[https://blog.shojimiyata.com/entry/2019/12/03/132635](https://blog.shojimiyata.com/entry/2019/12/03/132635)
> ② 上位PDCAサイクルを導入すること
OODAループが目指しているのは、計画の否定ではなく、計画は常に暫定的なものであり変化をするものであるという考え方。
なのでやみくもに行動してしまうことを避けるために上位のPDCAサイクルを導入する必要がある。
上位PDCAサイクルとは、「ミッションの設定、人員の選定、必要な経営資源の配分 (プロジェクトの入り口管理)」と「プロジェクトの成果の評価 (プロジェクトの出口管理) 」をそれぞれ厳格にマネージャーが管理し積極的に関与する必要がある。
つまり、現場レベルでは OODAループを回し、マネージャーレベルでは、PDCAサイクルを回すという構図になる
※ おそらくアウトプットではなくアウトカムに対してのみ PDCAサイクルを回そうという話なのかな? <img src='https://scrapbox.io/api/pages/omuomugin/omuomugin/icon' alt='omuomugin.icon' height="19.5"/>
以下2つは OODAループを効率性を規定する要因について2つ紹介している
> ③ 不確実性の想定内化
> OODAループがビジネスの領域に応用される場合、その日常業務のなかでそれが真価を発揮するのは、いつ起こるか予測できない「想定外の事態への対処」ということにあるのではなく、通常ならば想定外となるかもしれない事象を、「想定内化」することにある。この想定内化によって不確実性に直面しても、そこから秩序を見出していくマネジメントが可能になる。
つまり、全くの想定外だらけ ( [[Cynefin フレームワーク]] でいう カオス ) ではなく、ある程度は想定内だけどその中で変化自体は起こりうる領域 ( [[Cynefin フレームワーク]] でいうところの Complex ) で真価を発揮する。
これは、単に TODO リストしかない場合には、状況がちょっとでも変化すると対応できず計画のし直しになるが、 OODA ではミッションや課題がある程度抽象的なのでその中で自分たちで判断しながら変化に適応できるという話。
アジャイルやスクラムのようなことを言ってる <img src='https://scrapbox.io/api/pages/omuomugin/omuomugin/icon' alt='omuomugin.icon' height="19.5"/>
> ④ 観察の仕組み化
> 1点だけ指摘しておくならば、観察で得られる情報の質が良ければよいほど、情勢判断の精度は向上し、担当者の判断能力も伸びていくという点だ。情勢判断とは直観的判断であり、その成否はできるだけ多くの場数を踏むことに依存する。ただし、ゴミのような情報をいくら判断したとしても、その判断能力、直観力は向上しない。だからこそ、何を観察すべきなのかが大切になる。少なくともこの点については、個人にゆだねるのではなく、組織的に共有する努力を行うべきだろう。
# 感想
- PDCA 自体は広義な概念なので暗黙的な前提を決めつけすぎてるような感覚もあるが、「アジャイル」のような言葉を使わずに上手に OODA ループの話をしている印象がある
- また上位は PDCA であるという点も言及されていて、全てがアジャイルという世界では