#book #r2025

# なぜこの本を読んだか
元々 [Stripe Press](https://press.stripe.com/) の本は、製本が丁寧だったりするところも含めて推しだった。
また内容的にも翻訳されることはないだろうというので原著を発売当時に買って積んでた。
が普通に和訳されて出版された (しかも訳者が [[Empowered]] などと同じ方) ので読み始めた。
また出版に際した以下のブログシリーズの内容もよくすぐ読もうとなった
- [https://blog.allstarsaas.com/posts/scaling-people-you01](https://blog.allstarsaas.com/posts/scaling-people-you01)
- [https://blog.allstarsaas.com/posts/scaling-people-you02](https://blog.allstarsaas.com/posts/scaling-people-you02)
- [https://blog.allstarsaas.com/posts/scaling-people-you03](https://blog.allstarsaas.com/posts/scaling-people-you03)
# 何が書かれている本か
# メモ
事業運営の4つの原則
- 自己認知力を高め、相互認識力を築く
- 自分の価値観を理解する
- ワークスタイルや意思決定の傾向といった生まれつきの好みを知る
- コメント) 行動特性を知ることという感じ?
- スキルや能力の足りていない部分をはっきりさせる
- 言いにくいことを伝える
- 大前提としては、部下があなたと一緒に問題について考え、解決策を探し始めるようにすること
- その上で How が 2つ紹介されている
- オープンエンド.(はい or いいえではなく考えを聞く形式) 形式の質問
- 共感を込めて観察結果を共有しり
- あくまでも中立的な観測結果 (≒ 限りなく事実に近い形) を伝えること
- マネジメントとリーダーシップを区別する
- リーダーシップ: 変化を推進すること
- マネジメント: 安定性を築くこと
- オペレーティング・システムに立ち返る
優れたゴールの建て方
- 成功を定義する
- どういう状態になったら「できた」となるのか
- 勝利条件を設定する
- フォーカス
- 取り組めるキャパシティよりも、できることのほうが常に多い
- 選択と集中の結果、何をやらないのかを決める
- 自律的に動ける余裕をつくる
- アカウンタビリティを持てるように具体的な行動はなるべく義務づけない
- -> 優秀なメンバーが集まっているという前提であれば常に現場に近い方が事象に対しては詳しいはずであるという考え方
- 必ずしも定量である必要はなく重要なのは「最終的に、議論の余地なく、できたかできなかったかを言えるかどうか。イエス。ノー。単純だ」
**オペレーティング・ケイデンス**
事業運営のリズムのことでどのような頻度で何をレポートするかなどの設計
e.g.
- 年1回の計画プロセス
- 四半期に1回のビジネスレビュー
- 月1回の全社ミーティング
- 2週間に1回の 1on1 ミーティング
- 1週間に1回の OKR 進捗報告とチームミーティング (指標のレビューもあわせて実施)
- 毎日のスタンドアップミーティング
**防衛的プロセス**
> 優れたプロセスは、意識合わせを強固にし、スピードとベストプラクティス準拠を同時に実現するような、負担の軽いチェックを導入する。
> ...
> 一方、防衛的プロセスは、ある意思決定のオーナーが誰であるかについて合意がないために存在するプロセスで、必然的にスピードダウンにつながる。
例えば、様々な組織からの OK をもらうみたいなプロセスが該当する。
名前の通り、漠然と何かを守るために整備されてしまうことが多い。
**採用プロセス**
- リクルーティング
- 採用
- 面接で以下を聞いてみるといい
- > 同僚からどう思われているかを候補者に聞くことだ。プラスのことしか言わない場合は、これまでもらった建設的なフィードバックがあるかどうかを深掘りしよう。それから「改善するために何をしたか」も尋ねよう。これで学びと自己改善への志向と、フィードバックを真摯に受け取ったかどうかをチェックできる。
- -> 自己認知力や内省力を聞くことができる
- オンボーディング
**COO over BizOps**
BizOps は、CEO室のように COO (CEO の実行者としての右腕) を組織として担うようなもの
**仕事を任せる時**
この仕事は任せるべきだと判断し、誰に託すかを決めたあとの対話の仕方として以下が紹介されている
- 任せる仕事の内容を明確にする
- なぜ相手がこの仕事に適任かを説明する
- この辺は、 [128. 冒険する組織のつくりかた w/ YukiAnzai](https://fukabori.fm/episode/128) の中で話されてる「ミドルマネージャーにはストーリーテリング大事という話」と似ている
- [役割をお願いする時に伝えていること - Konifar's ZATSU](https://konifar-zatsu.hatenadiary.jp/entry/2024/10/30/174251) でも同じような言及がある
- 求める成果物を明確にする
- タイムラインを話し合う
- 同意を得る
- 次のステップを確認する
- 進捗の確認
その他
> 文書化は、平等にするためのしくみである
# 余談
[https://press.stripe.com/scaling-people](https://press.stripe.com/scaling-people)
ここにインタビューや付録の Workbook なるものもある
著者であるクレアさんが登場している Coral Capital の動画も本の要点を知るにはめちゃくちゃよかった
[https://youtu.be/YSVESLU_cEA?si=lQfAzCyD-4HyFzII](https://youtu.be/YSVESLU_cEA?si=lQfAzCyD-4HyFzII)
[https://youtu.be/AKtBIdv7cB0?si=A97CrFF9VHCXDg9a](https://youtu.be/AKtBIdv7cB0?si=A97CrFF9VHCXDg9a)
Lenny's Podcast でも話してた
https://www.youtube.com/watch?v=Mv0o9o4MRh0
# 感想
- 噂通り一定のマネジメントレベル以上の視点を得るという観点でいえば必読書とも言えるくらい広い内容をカバーしていた
- 特に CTO や EM というよりも一般的なマネジメントの話がメインだったのも非常に参考になった
- あと原著は Stripe Press なんだが、相変わらず素晴らしい仕上がりだ、、、、