#book #r2023

# なぜこの本を読んだか
ちょうど本業でスクラムのスケールを考える必要があり、 [[Scrum@Scale]] のガイドを読んでいた
ただしガイドの中には登り方みたいな部分に触れていないので実際に運用されている情報に触れていようと思い読んだ
# 何が書かれている本か
前半の内容は、 [[Scrum@Scale]] の説明を丁寧にしているといった形で後半は実際に運用を初めていく中での勘所などが書かれている。
総じてちゃんと最高意思決定者 (経営層など) を巻きこめ、いきなり始めるのではなくまずはうまく行っているスクラムチームを作れというメッセージを受け取った
# メモ
前半は、 [[Scrum@Scale]] の内容が多い
12のコンポーネントだけわかりやすかったのでそれだけ列挙
- スクラムマスターサイクル (How を主)
- EAT
- 継続的改善と障害の除去
- チーム横断の調整
- デリバリ
- プロダクトオーナーサイクル (What を主)
- EMS
- 戦略的ビジョン
- バックログの優先順位づけ
- バックログの分割とリファインメント
- リリースプランニング
- 共通
- チームプロセス
- メトリクスと透明性
- プロダクトリリースとフィードバック
## 導入
- ステップ0 : 機能しているスクラムチームを作る
- [[プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける]] でも述べられているようにプロダクトの価値提供がどれだけできているかに焦点を当てること
- ベロシティのようなアクティビティ (アウトプット) 指標だけで測定するのは避ける
- ステップ1 : SoS を立ち上げる
- このタイミングで EAT を立ち上げてエグゼクティブメンバーを巻き込むこと
- ステップ 2 : メタスクラムを立ち上げる
- このタイミングで EMS を立ち上げてエグゼクティブメンバーを巻き込むこと
- ステップ 3 : 改善サイクルを回す
## 実際の事例
- 初期
- 2チーム
- Bチーム : コンテンツ
- Xチーム : UI/UX
- SoS の導入、メタスクラムの導入
- 4ヶ月目
- 3チーム
- Aチーム : 認証基盤 -> NEW
- Bチーム : コンテンツ
- Xチーム : UI/UX
- Bチームで認証認可も扱っていたがこのタイミングで独立
- 6ヶ月目
- 3チーム
- Aチーム : 認証基盤
- Bチーム : コンテンツ
- Cチーム : データマイグレーションなど -> NEW (Xチームとしての活動を一時的に休止)
- EMS を立ち上げ
- 8ヶ月目
- 2チーム + 1チーム
- 2チーム (SoS、メタスクラム)
- Bチーム : コンテンツ
- Cチーム : データマイグレーションなど
- 1チーム
- Aチーム : 認証基盤 -> Complicated Subsystem 化したことで X-as-a-Service のコラボレーションとなったので SoS から外れた
- プロジェクトの性質上 How の意思決定が多くなされたので EMS を解体して EAT として再編し、リリース後に EMS は再度立ち上げることを前提とした
# 感想
- [[Scrum@Scale]] のガイドを読んでいれば新たな発見は少ないものの、読むことで改めて解説、整理される感覚だった
- 後半のどのように導入していってるかという話は、割とガイド通りというわけではなく泥臭さもあって非常に参考になった